ムダなことほどおもしろい

弓道、ゲーム、日常のことなど

弓道とお父さんとわたし

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父と私はあまり仲が良い親子ではありませんでした。

当時弓道五段だった父に「姿勢が良くなるし、お前に向いてる」と勧められながらも、父と一緒に弓道場へ通うイメージが全く湧かなくて、のらりくらりと受け流し結局通わないままでした。

そんな父も他界して10年余り。
何故いま弓道なのか。

今年のはじめ人生の岐路を乗り越えた頃、チャレンジできることはできる限りやっていこうと決めました。
そのタイミングで知った弓道の初心者教室。
ゲーミングPCも買ったばかりだし、いろんなことにいっぺんに手を出すと全てが中途半端になってしまうんじゃないかと、悩んでいました。

そんな私を見た友人が「自分が死んだあとに子どもが何か1つでも受け継いでくれたら絶対うれしいと思う」と言ったんです。その言葉に後押しされ、申し込む覚悟を決めました。

しかし、なかなか担当の方から返事が来ない。メールを出すこと3回、弓道場へ直接訪ねること2回、全く音沙汰もなければ誰にも会えません。

「お前は本気で弓道を始める覚悟があるのか?」と、父に試されているようだと思い始めた頃、これで最後にしようともう1度だけ弓道場へ行ってみることにしました。
すると初心者教室に携わる先生に会うことができ、申し込み期限はとっくに過ぎていたにも関わらず、教室に通う権利を得ることができたんです。

七転び八起きの末通い始めた初心者教室では、安全についてや射技などを少しずつ教えてくれるのですが、その過程をあの寡黙で人付き合いが苦手な父が同じように通ったのだと思うと、教えてもらう事の全てが不思議なフィルターを通して自分の中に入ってきます。

もし父が生きてるうちに同じことをできていたら、仲良し親子の世界線もあったかもしれないと複雑な心境でしたが、孝行したい時分に親はなし。
親という存在はそこにいて当たり前のように感じていますが、いつまでも元気で若々しくいてくれるわけもなく、必ず別れがやってきてしまいます。

どうかこの文章を読んだ方は、いま目の前にいる両親を大事にしてください。

私にとって弓道は父そのものです。
いまになって隙間だらけの時間を埋めているのかもしれません。
目標は父の竹弓を引くこと。
体型にも合わないし、女性の私には簡単に引けるようなものではありません。
でもいつか引けるようにゆっくり時間をかけて精進したいと思います。